「公務員を辞めたい」と思ったこと、ありませんか。
私は地方公務員として4年間働き、有給休暇を1日も消化しないまま3年目に適応障害と診断されました。1か月の休職を経て復帰したものの、気持ちが完全に戻ることはなく、結局は退職を決断しています。本記事では、辞める前に整理しておきたいモヤモヤの正体や、異動などの選択肢を検討する視点について解説します。
後悔しないための判断軸についても書きました。辞めた後のリアルな生活についても触れています。公務員を辞めたいと悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。
※本記事は私個人の体験をもとに書いています。メンタル面でお困りの人は医療機関にご相談ください。
公務員の仕事に「モヤモヤ」を感じ始めたらすべきこと

辞めたいと思うタイミングは人それぞれですが、決断の前にまず整理しておきたいことがあります。下記の2点について解説します。
- 「つまらない」の正体を言語化する
- メンタル面のサインを見逃さない
「つまらない」の正体を言語化する
私が地方公務員として働いた4年間、有給休暇を1日も消化したことがありませんでした。地域のイベントや行政手続きが重なる時期には、週7日出勤することも珍しくなかったのです。しかし、仕事が嫌いだったわけではありません。パワハラのような明確な出来事があったわけでも、人間関係が破綻していたわけでもありませんでした。
ただ、「辛いことは何もないのに、しんどい」という感覚が、じわじわと積み重なっていったのです。言語化しにくい違和感が、私にとっての「モヤモヤ」の正体でした。「定年までこの仕事を続けるのだろうか」という問いが、繰り返し頭に浮かぶようになったのもこの頃です。
周囲からは「安定してるね」とよく言われましたが、私には「辞めてはいけない」というプレッシャーのように感じられました。モヤモヤの原因は、下記の3つが絡み合っていたと分析します。
- 業務量と休みの取りづらさという環境要因
- 「定年まで同じ仕事」という将来性への不安
- 「安定=辞めてはいけない」というプレッシャー
原因が1つに絞れないからこそ、モヤモヤは長く続きます。まずは自分の違和感がどの要素から来ているのか、分析しましょう。
メンタル面のサインを見逃さない
「つまらない」という感覚の奥に、疲労のサインが隠れている場合もあります。私自身、公務員として働き始めて3年目のある時期、仕事を多く任されました。プレッシャーが積み重なり、気づいたときには朝起き上がれなくなっていたのです。医療機関を受診し、適応障害と診断されました。
1か月の休職を経て職場に復帰しましたが、完全に気持ちが戻ることはありませんでした。結果的に、休職を経て翌年退職という流れになったのです。体調の変化は、自分では気づきにくいです。休みの日も気が休まらないといった変化があれば、「モヤモヤ」の段階を超えているサインかもしれません。
※本記事は私個人の体験をもとに書いています。メンタル面でお困りの人は医療機関にご相談ください。
本当に「辞める」しかないのか、立ち止まって考える

辞めたい気持ちが強くなっても、辞める以外に解決できる可能性がないか、確認しておきたいところです。下記の2点について解説します。
- 働き方の見直しで解決できる可能性はあるか
- 「一時的な不満」か「根本的な不一致」か
働き方の見直しで解決できる可能性はあるか
公務員には異動という制度があります。私自身は異動を検討したわけではありませんでした。しかし、「今の自分のままでいいのか」という問いは、退職を決める前にずっと頭の中にありました。異動によって業務内容や人間関係が変わり、モヤモヤが解消されるケースもあります。
異動によって変わる可能性があるものと、変わらない可能性が高いものを整理すると、下記のとおりです。
| 異動で変わる可能性があるもの | 異動しても変わらない可能性が高いもの |
|---|---|
| 業務内容 | 働き方そのものへの違和感 |
| 直属の上司・同僚との人間関係 | 組織全体の構造的な忙しさ |
| 部署特有のプレッシャー | 休みの取りづらさなどの根本要因 |
ただ、私の場合は「働き方そのものに違和感がある」という感覚の方が強かったです。異動を待つという選択肢は考えていませんでした。異動願いを出したことがない人は、「異動で変わる部分」と「異動しても変わらない部分」をわけて考えるのをおすすめします。
「一時的な不満」か「根本的な不一致」か
退職前の私は、「環境の構造に疲れているのか」「人間関係が嫌いなのか」を、区別できていませんでした。区別がはっきりしてきたのは、ワーホリで日本を離れてから、当時を振り返ったときのことです。離れてみて初めて、休みが取りづらく仕事量の多い環境の「構造」そのものだったと気づきました。
渦中にいるときは、目の前の忙しさに追われて、原因を切り分ける余裕がなかったのです。「一時的な不満」か「根本的な不一致」なのか、退職を決断する前に考えるのをおすすめします。
公務員を辞める前に確認しておきたいこと

勢いで辞めてしまうと、後から後悔しやすいというのが私の実感です。下記の3点について解説します。
- 辞めた後の生活・収入面のリアル
- 「辞める理由」を自分の言葉で説明できるか
- 周囲の反対とどう向き合うか
辞めた後の生活・収入面のリアル
退職を決める前後、私は数日間頭の中でシミュレーションをしていました。考えていたのは、下記の3点です。
- 貯金はどれくらい必要か
- 退職の手続きにどれくらい時間がかかるか
- 帰国後の就職はどうなるか
正直に言うと、詳細まで詰め切れていたわけではありません。渡航費用については、4年間の公務員生活で貯めた貯金を充てました。「足りなくなったらどうするか」という部分まで答えを持てておらず、ある程度は見切り発車だったのが実情です。
今振り返ると、それぞれ最低いくら必要かを紙に書き出しておけば、当時の不安は軽減できたはずです。感覚だけで「なんとかなる」と考えるより、数字に落とし込むのをおすすめします。
「辞める理由」を自分の言葉で説明できるか

退職を決めた年度の7月頃、私の中で辞める理由は「自分自身を見つめ直したい」という言葉に落ち着きました。仕事量の多い環境に身を置き続けることが、自分にとって良いことなのか、当時の私にはわかりあぐねていたのです。退職理由は、自分自身が納得するために必要な言語化でした。
「なぜ辞めたいのか」を自分の言葉で説明できない状態のまま退職に踏み切ると、迷いが生まれます。実際に転職活動を始めてからは、面接で退職理由をどう伝えるかという別の課題に直面しました。
周囲の反対とどう向き合うか
退職を公言し始めた2月頃、地元の川柳サークルで一緒だった人たちから「もったいない」と言われました。当時、私は川柳サークルで年配の人々に囲まれる時間を過ごしていたのです。言われた瞬間、強く反発する気持ちはなく、「まあ、そうだよな」と思ったのを覚えています。
確かに給料も安定しているし、もったいないと言われるのもわかる、というのが正直な感覚でした。反対されたことに納得できる部分は納得しつつも、自分の意思は変えなかった、というのが私の場合の向き合い方です。周囲から反対されたとき、意見をすべて否定する必要はありません。
相手の言葉に一理あると認めながら、自分がどうしたいかを別に持っておくことが、後悔を減らすうえで大切です。
後悔しないための判断軸

正解と言えるものはありませんが、判断軸を持つことはできます。下記の3点について解説します。
- 今の職場でできることはやり切る
- 「辞めたら何を失い、何を得るか」を書き出す
- 「もう1度公務員に戻るか」を考える
今の職場でできることはやり切る
私の場合、「やり切った」という感覚を後から自然に得られたわけではありません。やり切ったと思えるように、自分で区切りをつけるためのルールを先に決めていました。人事の上司にワーホリの意向を伝えたタイミングで、退職年度の3月31日まで在籍することを決めたのです。
ルールを決めた理由は、他の人にできるだけ迷惑をかけたくないという気持ちがあったからです。お世話になった人たちにきちんとお礼を伝えたいという気持ちもありました。区切りをつけるという行為は、自分のためだけでなく、周囲への礼儀という側面もあったのです。
「やり切った」かどうかを退職の条件にすると、いつまでも踏み出せない可能性があります。先に区切りの期日を決めてしまうというやり方も、判断軸の1つになりえます。
「辞めたら何を失い、何を得るか」を書き出す

退職を意識し始めた頃、私が怖かったのは「安定した職業を失うこと」でした。一方で、辞めることで何を得られるのかについては、正直なところ漠然としていていました。「人生において何か別の視点が得られるかもしれない」という程度のことしか考えていなかったのです。
キャリアがどうなるかについては「なんとかなるだろう」と考えていました。貯金が尽きたらどうするかについては「現地の仕事で稼げばいい」と割り切っていたのです。海外で生きていけるかどうかは「行ってみないとわからない」と腹をくくっていました。
今振り返ると、根拠は薄かったです。失うものが明確で、得るものが漠然としているというのは、決断において自然なことかもしれません。得るものを事前にすべて言語化できなくても、失うものだけは直視したうえで決断するというやり方もあると感じます。
「もう1度公務員に戻るか」を考える
私は、公務員を辞めたら絶対に戻れないだろうと、当時から腹を決めていました。戻れない前提でニュージーランドに行くという覚悟のもと、退職を決断したのです。不可逆性は、決断を迷わせる要因にもなれば、覚悟を固める材料になりえます。
私の場合、「戻れないなら、自分で選んだ道を歩むしかない」という感覚が、退職への迷いを断ちました。戻れる可能性を残しておきたい人もいれば、私のように戻れない前提で決断した方が動きやすい人もいます。どちらが正しいということはなく、自分がどちらのタイプかを把握しておくことが、判断軸の1つになりえるのです。
公務員を辞めた後のリアルな生活

判断軸を踏まえたうえで、実際に辞めた後どうだったのかを、私自身の体験として共有します。下記の2点について解説します。
- 辞めてすぐに感じたこと
- 「もったいない」と言われた経験
辞めてすぐに感じたこと
退職が決まった直後、私は解放的な気持ちになりました。激務を行わなくて済むという安堵は、想像していた以上に大きなものだったのです。同時に、ニュージーランドでどう過ごしていくかを、もっと突き詰めようという意識も生まれました。解放感だけに浸っていられる余裕はなく、次のステップに向けて頭を切り替える必要があったのです。
安定した職を手放した直後の解放感は、単純な喜びだけではありませんでした。激務から解放された安堵と、次の生活を自分で組み立てようとする意識が、同時に押し寄せてきました。
「もったいない」と言われた経験
川柳サークルの人たちから言われた「もったいない」という言葉は、今となってはあまり気にならないです。確かに退職によって収入面での変動はありましたが、公務員を続けていたら、ぞっとするものがあると今では感じます。激務の中で、また体調を崩してつぶれていただろうと考えるからです。
時間が経ち、実際に別の道を歩んでみたことで、「もったいない」への感じ方も変わりました。言われた瞬間の重みと、数年後に振り返ったときの重みは、必ずしも一致しません。
まとめ

公務員を辞めるかどうかに、正解はありません。私の場合は、モヤモヤの正体を言語化し、異動などの選択肢も検討したうえで、収入面や周囲の反対と向き合いながら決断しました。辞めた後の生活は、解放感と現実的な不安が同時にやってきました。「もったいない」と言われた経験も、時間が経つことで受け止め方が変わったのです。
私自身の退職までの経歴の詳細については公務員を辞めた私の経歴の記事で書いています、公務員を辞めたいと悩んでいる人に、本記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
※本記事は私個人の体験をもとに書いています。メンタル面でお困りの人は医療機関にご相談ください。

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